2ヶ月で10億ドル稼いだ資産家「ジョージ・ソロス」の資産と格言


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ジョージ・ソロスは世界三大投資家の1人で、イングランド銀行を破綻させた男として知られています。1992年にはイギリス政府の為替介入に対抗してイギリスの通貨であるポンドのカラ売りを行い、ブラック・ウェンズデーを引き起こしました。イングランド銀行に大勝利した彼は短期間で20億ドルの利益を手にします。
更にジム・ロジャーズと共にクォンタム・ファンドを設立し、ここで自身の資産220億の大部分を形成しています。投資家というよりも、投機家といった方が似合う彼の素顔は実にアカデミックな人物です。
自身を国境なき政治家と称し、投資を引退した今は慈善事業や新経済概念の構築に力を注いでいます。ここでは、ジョージ・ソロスの格言を通じて、彼の魅力をご紹介します。

ジョージ・ソロスの名言たち

名言1

「私が確かに人より優れている点は、私が間違いを認められるところです。」

投資の世界ではジョージ・ソロスは非常に成功した投機家として、またゲームが有利なうちに手を引く懸命さを備えた人物として知られています。彼は市場のシステムは人間と同様に、欠点を抱えていると信じていました。
彼が投機家と評される理由の一つに短期間で利益を得るため、値動きが激しい銘柄に集中的に資金を投入するというスタイルがあります。彼は儲かりそうな匂いがすると最初に投資し、それから調査を始めていました。そして、彼の仮説が周りに認められ始めた時には既に利益を上げて手を引いていました。
ソロスは仮説には必ず欠点があると考えていたため、それが自分が立てたものでも警戒を怠ることをしませんでした。その批判的な態度のお陰で他の人よりも早く自らの仮説の欠点に気付き、手を引くことができたのです。
一方、市場参加者は価値判断を巨大なバイアスに委ねることが多く、しばしば彼の仮説を簡単に信じて偏った判断を下すこととなりました。そして、この市場の動きが彼に手を引くチャンスを与えることとなり、仮説が間違っていた場合でも利益を上げることができたと言います。

名言2

「まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。」

投資の本質は将来を予測することにあります。しかし、投資家が予測して株式や通貨に支払う金額は、様々な形でその会社や国に影響を与えます。投資家の期待が将来に変化を与える、その相互作用は結果を予測することが非常に難しいのです。
もしも科学的根拠がある知識に基いて動いているなら、別々の投資家が同じタイミングで同じ銘柄を買ったり売ったりしないはずだと彼は考えていました。市場は社会的事件に不確定要素が入り込むことで変化し、結果は予想通りにいくことはありません。
ソロスは自らの投資スキルをサバイバルと称し、まずは市場で生き残ることが大切だと説いています。不安定な市場の中、生き残る確立を少しでも上げるためにはどうすればいいのでしょうか。
彼はここで、トレンドに追従する行動は非常に合理的だと話しています。なぜなら、一匹狼の逆張り投資家の場合はトレンド追従者の期待で自身の予測を大きく歪められ、潰れてしまう可能性があります。
何も考えずトレンドに追従しているだけでは市場の変わり目に気付かず失敗してしまいますが、充分に警戒していると生き残る可能性が大幅にアップします。

名言3

「成功すれば、人は自分の考えに関心を示してくれるはず」

ジョージ・ソロスは投資の世界だけではなく、哲学や政治にも強い関心を示してきました。彼は市場は常に間違っているという強い信念を持っていましたが、金融市場を彼の哲学的着想を実験する場として捉えている一面がありました。
彼が活躍したエピソードであるブラック・ウェンズデーは、1992年9月16日に70億ドルのポンド売りを行ってポンドを暴落させ、利益を得たことで有名です。これだけを聞くとソロスが自分の利益のためだけに行ったように思えますが、実はこれによってイギリス経済は持ち直したと考えられています。
当時のイギリスは東西ドイツの統合や資本流出などにより、経済が後退期になっていました。欧州全体の経済や雇用が不安定ななか、イギリスはERMに従って欧州共通通貨となるユーロ導入のためポンドを無理に高く固定していました。
ここでソロスはイギリスの経済力に比べてポンドが高く固定されていると感じ取り、イタリアのリラ切り下げを切っ掛けに短期間で巨額のポンド売りを行いました。イギリス政府はポンドの下落に対して買いに向かいましたが途中で資金が尽き、ERMを脱退してユーロ導入を断念したのです。
このブラック・ウェンズデー以降イギリス経済は安定し、長期にわたり失業率の改善や経済成長、インフレ率を安定させることができました。
ソロスがイギリス経済を救おうと思ってポンド売りを行ったのかどうか、真実は誰にも分かりません。しかし、彼はこれによって充分な資産と大投機家として名を知られることとなりました。そして、彼の資産の大部分は開かれた社会を作るための慈善活動に使われているといいます。
元々、ソロスが投資の世界に入ったきっかけは哲学者として自立するための資金稼ぎでした。彼の恩師である哲学者カール・ポパーの思想に影響を受けていたソロスは、人々が新しい世の中や自分とは異なる考え方の人を許容できる世界にするために活動を行っています。
彼の本当の目的が開かれた社会の創設だとすると、投資はそのための手段にすぎません。彼にとって成功とは資金を調達するだけではなく、自分の本当の目的に関心を示してもらうための方法だったと言えます。

おわりに

イングランド銀行を破綻させた男、ジョージ・ソロスの素顔は実にアカデミックな人物です。金融市場も予測も全ては不安定なものとして捉えている彼は自らの間違いを素直に認め、ゲームが有利なうちに手を引く賢明さで有名です。
市場は彼にとって自分の哲学的思想を実験するための場であり、目的のための資金を調達する場でした。自身の投資テクニックをサバイバルと称する彼は、ブラック・ウェンズデーや自らのファンド設立で見事に成功を収めました。投資の世界から引退した今では、彼の本来の目的である開かれた社会を作るための慈善活動に力を注いでいます。